2020.7.25
雑誌HOPE創刊記念対談「きょういくを語ろう」
私たちは、なぜ、学ぶのか。何を学ぶのか。
主催者挨拶
  三原 菜央 先生の学校 学長
 『先生の学校』の紹介
 
トークセッション「なぜ学ぶのか。何を学ぶのか。」
  小林 さやかさん 「ビリギャル」の主人公
 講師紹介
  坪田信貴著『学年ビリのギャルが一年で偏差値を40上げて慶応大学に現役合格した話』の主人公。小林さやかさん。
 中学で成績学年ビリ、高2の夏に小学4年レベルの学力しかなかった。
 金髪で素行不良を理由に何度も停学になり、校長に「人間のクズ」と呼ばれたことも。
 高2の夏、塾の坪田先生との出会いを機に、日本最難関レベルの慶應義塾大学の現役合格を目指すことに。結果、1年で偏差値を40上げて、複数の難関大学のほか、慶應義塾大学に現役で合格を果たす。
 大学に入学後、坪田先生に「君は、人のことが大好き。人との出会いを大切に」と言われた。
 大学時代、東京ガールズコレクションの裏方、下北沢の居酒屋のバイトも。
 行レができる店で、洗い場からスタート。店長をみて「こういう人になりたい」と。
 卒業後は大手ブライダル企業に就職し、ウェディングプランナーに。持ち前のコミュニケーション力をいかし、営業成績は常にトップクラス。
 その後、結婚を機にフリーランスとして独立。『ビリギャル』が出版され、教育についての取材や講演依頼も多数来るように、年間120本くらい講演。
 離婚後、札幌市で「悪評御三家」と呼ばれた問題校で、4ヶ月間生徒たちと体当たりでぶつかり、学園改革も。現在は、聖心女子大学大学院で学習科学を学ぶ。「教育の本質を学び、学びの場を作りたい。」と。
 ビリギャルで多くの人に影響を与えていると思う。理論的になぜできたのか、を学んでいる。
 高校まで「先生は、嫌なやつしかいない」と思っていた。札幌の高校に行って、学校、教員に対してのイメージが変わった。
 「校長の右目」という立場で関わらせてもらった。
 一人の女の子がいた。当時高校1年生。スキー、モーグルを3歳からやっていて、モーグルではオリンピックに出れそうという感じだった。でも「やっている意味が分かんない」と、やめてしまったばかりの時に出会った。
 話を聞きたいと思った。でも「それが―」というだけで、何言ってんか、分かんない状態。でもコミュニケーションを取りたいんだと感じた。
 昔の自分のようだと思った。
 東京に戻る時に、彼女は職員室に乗り込んで「全員に協力してほしい」と叫び、職員を納得させ、30分くらいの動画を作ってくれた。
 彼女は、オリンピックの先に何をしたらいいか分からないというので、スキー場をつくればいいよと伝えると、目が輝いて再びモーグルを始めた。

 東京に戻る際、副校長に「戻ったら何をするの」と聞かれたので、「多くの子に役立つことをしたい」と語った。
 
 高校時代、先生たちの中で話を聞いてくれた人はいなかった。仕方がないことだが、高校時代、先生から逃げることばかりだった。メイク落としシートをもって走っていた。
 坪田先生は、話を聞いてくれた。
 私のまつげをみて、「それ、ひじきみたい。それどうやって作ったの。」と質問してくれた。この人、怒らないんだと思った。そして2時間くらい話をした。生徒への愛を感じた。
 さっべろの高校へ行って、同じように生徒への愛を感じた。主体的に学ぶためにはどうするか。教えていた。
 先生たちのせいじゃないと思った。高校時代は、眠くなる授業しかできないのかと思っていた。子どもたちは、もっと出来たらいいと思っている。
 先生たちも実現できないことがある。先生たちも救ってあげないといけないと思い、大学院に入った。

 校則には、意味があるのだと思った。高校時代は学校からの嫌がらせだと思っていた。何で髪の毛を染めてはいけないのか、短いスカートではいけないのか。
 「ルールだから」では納得できない。札幌で一人の先生が「短いスカートではなぜいけないのか」、生徒に話していた。
 命にかかわることを説明していた。理由があるなら伝えるべきだと思った。
 お互いに納得していくことが大切。何でなのか、話し合っていくべきだと思う。
 
 大学院で学習科学を学んでいる。人は、学び続けられる。より探究していきたい。
 
 がんばり続けたモチベーションは、心理学でいう「自己成就予言」にあった。
 アメリカ人社会学者のロバート・K・マートン氏が提唱した一人で、「自己成就的予言とは、最初の誤った状況の想定が新しい行動を呼び起こし、その行動が当初の誤った考えを真実なものにする」と言っている。
 慶応に行くんだと言いふらした。そして暗記しまくった。その結果、そうなった。
 坪田先生は、「理動というはない。感動はある。理屈では動かない。感情を大事にしてほしい」と。
 坪先生は、「どう思う。」「どうしたい。」と声掛けをしてくれた。モチベーションの管理、対話を大事にしてくれた。教えてくれたのは学び方だけ。
 聖徳太子を「セイトクタコ」と言ったら、君って天才だねって言ってくれた。「子ってついているから女だと思った」と言ったら、「確かに」と。
 
 リクルートワークスの調査で、どうすれば人は学ぶのかという問いに対して、自己学習33.1% OJT、offJTの人がいる。しかし、「全てなし」という人が50.1%もいる。半数の人が学んでいない。
 学生時代から学んでいる人が。社会に出てからも学ぶ習慣がある。
 学びには、後ろ向きアプローチと前向きアプローチがある。
 後ろ向きアプローチは、大人がゴールを決め、やることを決めていく方法。
 前向きアプローチは、学習者自身がゴールを決定、大人は一緒に考える。
 新しい学習指導要領では、資質・能力の育成を目指している。これからは暗記では無理。この現状はやべー。

 担任の受け持つ人数が多い。学校ビジネスではね顧客は親。売り物は授業。授業を見直す時間を与えるべき。
 先生が学び続けることが大切。こんな大人になりたいなーと見せることが必要。
 ある中学校でのアンケートで、「大人は勉強しなくていい。」と。勉強=暗記と思っている。学び続けることは楽しいと体現することが大事。
 学ぶことで人生の選択肢が増える。人生が豊かになる。
 実社会と学びをリンクしてくれなかったから、勉強は嫌いだった。サイン、コサインなんて必要ないじゃん。と思っていた。
 実社会とリンクされるといい。歴史を知らないと、今の出来事が分からない。
 坪田先生は学ぶことを楽しんていた。体現することが大切。
 知識と理解の社会的構成がある。レベル1は、経験則、素朴理論。レベル3は、原理原則。科学的概念。現実と結びつけねことが大切。

 子どもの学びは一人一人異なる。外的情報を40人、同じ効果を得られるようにすることはできない。内的情報が人によって異なるから。
 枠組みによっても異なる。100×10はわかっても100×100が分からない子がいる。
 これからは、知識構築ジグソー法がいい。

 学ぶ面白さ、完璧でなくてもいい。生徒たちと授業を創っていく。

 先生はスーパーマンではない。全部はできない。いろいろなところと連動している。子どもに学ぶことはたくさんある。お互いに学ぶ。それを祖ポートする大人になってほしい。