2020.10.25
ポストコロナショックの授業づくり オンライン学習会②
14:00-14:10 開会挨拶・連絡
       東洋館出版 事務局
14:10-14:35 話題提供➀
 どんな状況下でも子どもの学びを止めない授業づくり
       上智大学 奈須 正裕 教授
どうすれば、子どもの学びを止めない学校とすることができるか
1.個が自律的に学ぶ学習で三蜜を避ける
  学びを止めないコロナショックの対応と課題
   ・子どもを登校させられない
   ・まずは家庭学習
   ・さらにオンライン学習
   ・ようやく学校再開・・・いざ対面学習
   ・学校で三蜜にならないようにするには

 学習空間の拡張
   ・分散登校、机シールド
   ・素朴な疑問「どうしてそんなに普通教室にこだわるのか」
   ・学校の総床面積に占める普通教室の割合は、決して高くない
   ・余裕教室、オープンスペース
   ・稼働率の低い空間をさがせば見つかるはず
   ・オープン・スクールは季節性インフルエンザによる学級閉鎖が少ない
   ・普通教室を飛び出して、校内の空間すべてを学習空間にすれば三蜜は回避できる
 
 個が自律的に学ぶ「個別最適な学び」
   ・でも、全員の子どもが教師の目の前にいない・・・どうやって教えるの
   ・教えなくても子どもがまなばなくてもいいんでしょ・・・・ルソーの「消極教育」
   ・「子どもが学ぶために、教師が教えている」という当たり前の事実の確認を
   ・適切な環境さえあれば、子どもは環境にかかわり学んでいく
   ・教師のいちいちの指示がなくても、どんどん学び進められる子どもにしたい
   ・「メタ認知」を働かせ「学習の自己調整」ができる子・・・「学びに向かう力」
   ・教師の大切な仕事は、子どもの見取りと支援
 
 単元内自由震度学習
   ・子どもが各自で8~10時間程度の体現の学習計画を立てて自由に学ぶ
   ・学習の進行は、各自ゆだねるが、途中2~3か所程度のチェックポイントがあり、
    教師による確認と必要な指導が行われる。
   ・ポイントとなるガイダンス・プリントと学習の手引き
   ・複数教科を同時進行で進めることもある。
   ・子どもの学習適性を想定し、2~3種類のコースを準備
   ・教師によるコースの推奨はあるが、最終的な選択は各自に委ねる
   ・「最適化」は子どもが自律的に行う・・・・メタ認知、学習の自己調整の育成

令和の日本型教育
 個別最適な学びと協働的な学びの往還
   ・「個別最適な学び」・・・・「個に応じた指導」を学習者側から整理した概念
   ・「個別最適化された学び」⇒「個別最適な学び」
   ・AIによる「情報推薦」等によって、自動的に「最適化されるのではない」
   ・学びの主体である子どもが、教師の支援を受けて、自らの学びを「最適」なものにしていく

   
2.学びの文脈の把握
  ・多くの学校で、家庭学習はなぜドリルや復習に終始したのか
  ・子ども一人では新しい内容を学び進めることや、探究はできないのか
  ・子どもの能力の問題か。教材の質の問題か
  ・1枚1枚がバラバラに孤立したプリントの束・・・何を教え、学ぶ「教材」
  ・家庭用学習プリントの作成に対して、学習指導案は書いた?
  ・個々のプリントで問われていることや指示されている作業は理解できても
   なぜここでこの問いに答える必要かあるのか、
   この作業は単元全体の流れの中でどのような意味があるのか
   を把握できなければ、考えながら学ぶことはできない

学びの文脈とは
  ・手続きは簡単である。まずいくつかの山に分ける。量によっては一定でもかまわない
   設備がなくて別のところに行かなければならないのでなければ、準備は完了する
   やりすぎないことが重要だ。短期的には、このことはさほど重要でないように見えるが、
   ここを誤ると高くつく。
   最初のうちは、全体の手続きは、複雑に思えるかもしれないが、
   すぐに人生のありふれた一部になる。
   近い将来、この将来、この仕事がなくなるかどうかは、不明である。それは誰もわからない。
   手続きが完了すると、グループごとに適当な場所に整理される。
   最終的には、それらはもう一度使われ、この手続きが繰り返される。
   しかし、これは、。人生の一部である。

  この話のタイトルは「洗濯」です。

 学びの文脈から見た家庭学習、オンライン学習(オンデマンド、同時双方向)、対面学習
   ・家庭学習一番条件が厳しい・・・だからドリルと復習に終始した
   
・「オンデマンド」が2番目に厳しい
   ・それでも動画を通して、教師が説明や指示を繰り返す分、文脈が取りやすい
   ・教師も「これでも子どもにわかるかな?」「通じるかな?」と
    慎重に想像(シュミレーション)しながら、ていねいに作りこんだ

   ・「同時双方向」周到に作りこむと、かなり「対面授業」に近い授業が可能に
   ・それでも脇に寄り添ったりノートを見ながらの支援等は困難

   ・「対面学習」後からでも、どうにでも対処が可能
   ・その分、作りこみやシュミレーションが雑になっていなかったか?

3.コロナショックを教訓に授業の質を上げる
   ・コロナショックで仕方がなく、取り組んだオンライン・家庭学習
   ・対面学習の比べ、学びの文脈の把握や個別的支援が困難
   ・困難だからこそ、工夫した地井寧に作りこんだ
   ・そこで得た教訓や学びを対面授業にも生かし、質の向上をはかりたい
   ・主な発問や説明を、あらかじめ文字にしてチェックする
   ・達人の発語は、すべて3文、120字前後だった・・・子どもが真似をする
   ・発問や説明の相互の関係のわかりやすさ、スムースさの観点でチェックする
   ・板書のわかりやすさ、予想される発言の構造化の方針をチェックする
14:35-14:50 話題提供②
 「オンライン学習の導入を契機とする授業と家庭学習の新たな連携」
      信州大学 伏木 久始 先生 
新型コロナの影響で
 新しい生活様式
   3密を防ぐソーシャルディスタンス
 シンプルだった卒業式・入学式
   これまでより感動の式だった なぜ?
 消えた全国大会・コンクールなど成果を競う場
   何のための、何を目的としたものだったのか
 問われた学校ならではの教育の再考
   対面でできないことは何か?
   オンラインだからこそ、出来ることは何か?
   対面型授業で大事にしたいことは何か?

 学校の授業と家庭学習の新たな連携
 
 グループワークのオンライン化
 当時の小学生が参加する大学授業
 
新型コロナ感染がもたらしたこと
 当たり前だつた学校の教育活動がストップした
  学びの保障 
   ①同期型オンライン学習の導入
   ②非同期型オンライン学習の導入
   ③プリント資料等の配布
   ④電話やメールによるケア

      市町村や学校ごとに差が大きい

 不登校児童生徒も同じ条件で学びに参加できた
   学校再開とともに「学びの保障」が後退している

ピンチの状況下で、これまでの当たり前が問い直された
   「学校の授業のあり方」+「家庭学習のあり方」の連携
    子どもの学びを優先した新たな連携を考える 

 伊那市立伊那中学校の例
 
 佐久市立佐久平小学校の例
 
 長野県立伊那養護学校の例
 
 長野県教育委員会の示す児童生徒がめざす学びの姿
     

自律的に学ぶということ
 自ら目的や目標と方法を考え、見通し(仮説)をもって、自分なりの規律に従い、自分のペースで
 問題解決に取り組み続けること。(Autonomy)

 他人の指示・命令や与えられた規律(他律)・学習課題に従って学ぶ(他律的な学び)だけだなく、
 状況に応じて、時には与えられた内容・方法を自分なりに変更してでも、自分なりに学び続ける姿を
 「自律的に学ぶ」とするとき、どれだけ子どもにそういう機会を考えているだろうか?

  ①学校では他律的に学び、家庭でも他律的に学ぶ
  ②学校では他律的に学び、家庭では自律的に学ぶ
  ③学校では他律的かつ自律的に学び、家庭では自律的に学ぶ

「個別最適化」をどうとらえるか
 AI搭載システムや個別学習システム依存傾向への警鐘
  先端技術を組み入れたデバイス(タブレット・PCなど)とAIを搭載した
  魅力的なアプリケーションソフトが続々と開発されるだろう。
  それらを限られた予算内で効果的に利活用することも必要。
  しかし、子どもや教師の主体性が欠けたシステムへ依存しすぎたり、
  一律に取り組ませたりすることは慎重であるべき
 
 多様性への配慮と個の学びの文脈の尊重
  一斉画一型授業の限界をオルタナティブ(別の選択肢)の提供によって、
  学びの多様性を保障していくことが優先されるべき
  
  最短ルートの効果的なトレーニングや学習者の弱点補充課題を指摘してくれる
  AIの指示に頼ることよりも、その子なりの学びの意味と試行錯誤する学びを尊重したい

 木曾町立三岳小学校の例

 木曾町立福島小学校の例
  
新学習指導要領がスタート
  先生たちに企画を提案する子どもたち
  
  JR上諏訪駅に掲げられた巨大な絵

アフターコロナに期待される学校教育
 個に応じた指導の重視(「個別最適化」の推進)
   オンライン学習の積極的活用
    対面授業でなければ深められない教育問い直し
    オンラインとオフラインの組み合わせの検討(=反転学習)
    学びの多様性に配慮した学習環境・授業方法の工夫

   「主体的・対話的な学習」の推進に向けた授業改善
    学習者側の選択・自分なりの問題解決の試行錯誤を尊重
    学び合いたくなるような課題の設定
   
   家庭(保護者)との連携の可視
    学校(管理職・担任)との連絡が共有されフォロー可能

アフターコロナの学びのための緊急対応
 ①オンライン学習への教員・学校の対応をフォローアップ

    オンライン学習の実施に向けたICTスキル向上(研修の充実)
 ②ICT機器・クラウド環境の整備<GIGAスクール予算を活用>
    児童・生徒・教員が使用するパソコン端末の整備
    校内のWi-Fi環境とクラウド環境の整備
 ③児童生徒・教員の教育クラウドIDの取得

    一律に一括取得する
    どの端末からでもアクセス可能
 ④各家庭のネット環境と端末の確保
    行政の支援、学校長集金の内容の見直し
 ⑤セキュリティ・個人情報保護のあり方の再検討

     
14:50-1505 話題提供③
  
      熊本市立城北小学校 田邊 彩希子 先生
オンライン授業とはどのような授業か?
 子どもの参加方法もいろいろある・・・ 教室の授業でも同じ
  オンライン授業と通常の授業は別物ではない

 実践例
   ①授業体制  
     教師三人による役割分担
       授業者がよりいつも通りに授業をすることができた
       授業力を磨く場となった  「プチ授業研究会」
     電子黒板2台の使い分け
       1台は資料提示
       1台は子どもたちの顔を見るため

   ②授業
      
   ③実際に起こった困ったこととその対応
     子どもたちはさぼりやすい環境にある
       顔を映さない。他のことをしている⇒個別にチャットでメッセージを送る
     ミーティングに参加しない⇒保護者に連絡することも

     慣れれば飽きてくる
       本当だったら子どもたちに体験させたいことをどんどんやってみせる。

  
オンライン授業にはどのような可能性があるのか?
 子どもたち
     異なる空間にいても、1つの授業を共有することかできる
 教師
     通常の授業で当たり前のように行っていることの奥深さや意義を再考する機会になる

     通常の授業の技術を磨き、向上させることができる


 子どもにとっても教師にとっても「学びの場」
  


15:05-15:20 ブレイクアウトセッション
15:20-16:00 全体交流・質疑応答