2020.9.25
子育てと家庭内コミュニケーション
感性リサーチ代表取締役社長 随筆家 黒川 伊保子氏
 ある企業で「女性の理解講座」を開催した。その時に、男性管理職から「なぜ女性は質問に答えないのでしょうか。」と質問があった。
 どのような質問をしたのか聞いてみました。
妻は5W1Hに答えないのか
 なぜ、いつ、どこ、なぜ、どうやって

 そのスカートいつ買ったの? 
 安かったから 僕に黙っていつ買ったの?

 
 それって新しいよね。いつかったの?
 僕に黙って、いつ買ったの?
 すると妻が新しいスカートをはいていたので「そのスカートいつ買ったの?」と聞いたら「安かったから」と答えたんです。いつと聞いたのに、答えていないというのです。
 その場にいた男性は「そうだよね」、女性はププフっと笑っていました。
 そうなのです。男性は、「それって新しいよね。いつかったの?」と聞いているのです。
 それに対して、「僕に黙っていつ買ったの?」と聞いているように聞こえたのです。
「それ、いいね」
 「でしょう?今日の、○○バーゲンで見つけたの、〇円よ」

●定年夫婦の禁句(=在宅夫婦の禁句)」
 「どこへ行くんだ? いつ帰る? 夕飯はどうするんだ?」
 「きれいだね。出かけるの?」
 「うん、デパートへ行ってくるわね。
 夕方には帰る。
 何か、美味しいのを買ってくる」
 ここでは、「それ、いいね」と聞いてあげると
 「でしょう?今日の、○○バーゲンで見つけたの、〇円よ」

となるのです。
 脳の研究から持ってきました。定年したご夫婦の会話の禁句を紹介します。今は、コロナ禍で在宅しているご夫婦の会話です。
 旦那さんが出かけようとする奥さんを見てね「どこへ行くんだ? いつ帰る? 夕飯はどうするんだ?」と質問してはダメなのです。
 「きれいだね。出かけるの?」

と一言、言うと良いのです。すると奥さんは、 「うん、デパートへ行ってくるわね。
 夕方には帰る。何か、美味しいのを買ってくる」
という会話になるのです。
いきなりの5W1Hは人間関係をギスギスさせてしまう
 いきなりの5W1Hは、脳をいわば戦闘モードにしてしまう。
 なんらかの決定権を握るものからのそれに緊張し、マウンティングされたと感じ迎撃態勢にはいる
 いきなり5W1Hは、脳をいわば戦闘モードにしてしまうのです。それは、なんらかの決定権を握るものからのそれに緊張し、マウンティングされたと感じ迎撃態勢にはいってしまうのです。いきなりの5H1Wは、人間関係をギスギスさせてしまいます。
娘に無視される理由
 それ何? 
 ・・・・   

 
 そんなに夢中だなんて、そのアプリは何?
 勉強もしないで何をしているんだ?
 娘さんに無視されるケースがたくさんあります。
 スマホを見ている高校生の娘さんにお父さんが「それ何?」と聞きます。お父さんは、「そんなに夢中だなんて、そのアプリは何?」と尋ねているのに、娘さんは、勉強もしないで何をしているんだ?」と聞かれたと思っているのです。
 当然、無視されます。お父さんは、積み木をしている3歳位の子どものイメージでいるのです。幼い時には「それ何」で通じたのです。
 しかし、大人に近づくと、反対に聞こえてしまうのです。
 
家族との対話を失敗していないだろうか
 「今日、何をしていた?」
 「なぜ、やらない?」
 「○○したのか?」

 「勉強やったの?」
 「学校、どう?」
 「さっさと〇〇しなさい」
 「だから言ったじゃない」
 相手にしてみればマウンティング・サイン

 こんな会話で、心が通うわけがない
 「今日、何をしていた?」と、質問しているのではないでしょうか。これは、「なぜ、やらない?」というのと同じなのです。
 「○○したのか?」「勉強やったの?」「学校、どう?」 「さっさと〇〇しなさい」「だから言ったじゃない」
と言う言葉は、相手にしてみればマウンティング・サインになります。こんな会話では、心が通うわけがありません。
では、私たちは家族や部下に、これをしてしまうのか
 対話には、「心の文脈=共感型」と「事実の文脈=ゴール達成型」の二種類がある

 5W1Hは、「事実の文脈=ゴール達成型」に切り替える合図
 「心の文脈」は閉じてしまう
 職場も子育ても、ゴール(目標)に満ちている

 男女の脳の生殖戦略の違いも「対話のすれ違い」の大きな一因

 男性の多くは、生来「ゴール達成型」優先で脳を使う
 女性の多くは、生来「共感型」優先で能を使う
 ではどうしてね家族や部下にこのように言って志乃まうのでしょうか。
 対話には、「心の文脈=共感型」「事実の文脈=ゴール達成型」の二種類があります。5W1Hは、「事実の文脈=ゴール達成型」に切り替える合図になります。「心の文脈」は閉じてしまうのです。
 職場も子育ても、ゴール(目標)に満ちています。その中で、5W1Hを使うと、「心の文脈」は閉じてしまうからなのです。
 また、男女の脳の生殖戦略の違いも「対話のすれ違い」の大きな一因になります。脳がストレスを受けた時、男性の多くは、生来「ゴール達成型」優先で脳を使うようになっています。女性の多くは、生来「共感型」優先で脳を使うようになっているのです。
 脳は、全機能を搭載していますが、同じ脳でも優先順位がちがうのです。
 対話には、二種類あります。
 女1「昨日、店長にこんなことをいわれてさあ」
 女2「それ、ウザイよね。私も、こんなことあった」
 女1「うわっ、そうなの。私だけじゃないんだ。」
 女2「そこまで言わなくたって、私たち、やってんじゃん。
    ま、店長の立場だと、し かたないかも」
 女1「たしかに、いろんな人いるしねぇ」
 ある職場で、
 女1「昨日、店長にこんなことをいわれてさあ」
 女2「それ、ウザイよね。私も、こんなことあった」
 女1「うわっ、そうなの。私だけじゃないんだ。」
 女2「そこまで言わなくたって、私たち、やってんじゃん。
    ま、店長の立場だと、しかたないかも」
 女1「たしかに、いろんな人いるしねぇ」
という会話がありました。
 感情的で愚痴の垂れ流しです。しかし、口から主観的、感情的になっている言葉が出る時、心の文脈で対話すると、気付きを演算するのです。
 事実の文脈は、状況を見極め、命を回避、命を守るために出てきたものです。人類にとって不可欠なものなのです。
 一方、心の文脈は、共感、ねぎらいの言葉になります。
 事実の文脈は、問題の指摘をしたいのです。「ここは違う」「こうするべき」と。
 混乱を回避したいともいえます。命を守るために「君はこうしたらよかったんじゃない」「その人からできることから始める」ということなのです。
 心の文脈からいけば、「私のことばかり責める」となります。事実の文脈からすれば「愚痴と文句ばかり」となってしまうのです。相手を愚かに見てしい、心に溝ができてしまいます。
 誰しもがコミュニケーションの達人になれます。
 女「昨日、店長にこんなこといわれてさぁ」
 男「向こうのいうことも一理あるよ。管理職何だからさぁ
   効率や公平性を考えないわけにはいかないだろう」
 女「そういうことじゃなくて」
 男「嫌ならやめれば?」
 女「・・・」
 女「昨日、店長にこんなこといわれてさぁ」
 男「向こうのいうことも一理あるよ。管理職何だからさぁ
   効率や公平性を考えないわけにはいかないだろう」
 女「そういうことじゃなくて」
 男「嫌ならやめれば?」
 このような事実の分脈の対話で最後には、何も言えなくなってしまうのです。
 女性の場合、共感して子どもを育てることをしてきました。女性の脳は、共感すると生存可能性が高くなります。ストレス信号が減るのです。
 たった40秒で、ストレスを瞬時にかえられます。
 
心の対話の進め方
 ・相手の変化点(ポジティブ)に気付いて、褒める・ねぎらう
   「それ、いいじゃん」
   「似合うね」
   「これ、してくれだんだね」
 ・相手の変化点(ネガティブ)に気付いて気遣う
 問題発見と感情を混ぜてはならないのです。
 人工知能を作っている時に、心の文脈の対話の仕方を見付けました。相手の変化点に気付いていくことが必要なことがわかりました。
 例えば相手の変化点が(ポジティブな場合、「それ、いいじゃん」「似合うね」「これ、してくれだんだね」と、褒めたり・ねぎらったりするのです。
 相手の変化点がネガティブな場合は気遣うのです。
 例えば、目にクマができている場合、「目にクマができているね」といってはダメなのです。「元気ないね。どうしたの」と声をかけるのです。
話の呼び水
 1)自分に起こったことを話す
   「今日、ランチに麻婆豆腐食べたら辛くてさぁ」
   「地下鉄、乗り間違えて、ひどい目にあった」
 2)ちょっとした相談事を持ちかける
   「会話でこんなことがあったんだ。どうすればよかったのかな」
   「このカレー、味、みてくれる?」
 3)社会的事象を「どう思う」と聞く
 また、話の呼び水として、「今日、ランチに麻婆豆腐食べたら辛くてさぁ」とか、「地下鉄、乗り間違えて、ひどい目にあった」等と、自分に起こったことを話すのもいいと思います。また、「今度、お母さんの誕生日プレゼント、何がいいと思う?」や「会話でこんなことがあったんだ。どうすればよかったのかな」「このカレー、味、みてくれる?」等、ちょっとした相談事を持ちかけてもいいでしょう。
 思春期の子どもは、自分の出力をするための感情がよくわかりません。すぐイラっとします。そこで、「アメリカのトランプ大統領、どう思う」等と、社会的事象と聞くのもいいと思います。
女性の対話満足度を上げるには
 女性脳は、共感でストレスを半減させる
 女性脳は、一日2万語も上がり、6千語出力すると安らかに眠れる
 (男性の6倍)

 女性脳の対話満足度=出力量×共感
 すばやい問題解決は必要なし
 大事なのは、「気持ちを語る言葉の反復」
 あいづち あいうえお
 女性脳は、共感でストレスを半減させることができます。女性脳は、一日2万語も上がり、6千語出力すると安らかに眠れるのです。それは、男性の6倍とも言われています。
 女性脳の対話満足度=出力量×共感とも言われます。すばやい問題解決は必要ありません。大事なことは、「気持ちを語る言葉の反復」です。
 「大変だったのよ。ひどいと思わない」という言葉には、「そう大変だったんだね。」と言葉の反復をしてあげるのです。
 さらに「あいづち」が大事です。「あーそう」「そうなんだ」「それは大変だったね。」と3回あいづちが必要なのです。また「あいづちのあいうえお」もあります。V6の井ノ原さんに教えてもらいました。
 あーそうなの
 いいね
 うん
 えっそう来たか
 おーそうか
と。
男性脳は「安寧的な沈黙」でストレスを解消する
 女性脳が、おしゃべり(心を語り合い、共感しあうこと)でストレスが減衰する一方で
 男性脳は「安寧的な沈黙」を与えられるとストレスが減衰し、集中力が上がる

 狩人にとって、森や荒野では、風や水の音で地形を知り、獣の気配を感じるため、沈黙は身を守る手段だったはず。女性が共感で生存可能性を上げたように、男性は沈黙で生存可能性を上げてきたのである
 男性は会話でストレスが生まれてしまいます。女性は、おしゃべり、心を語り合い、共感しあうことでストレスが減衰するのです。
 さらに男性は「安寧的な沈黙」を与えられるとストレスが減衰し、集中力が上がります。
 これは、かつて、狩猟社会であった頃、狩人にとって、森や荒野では、風や水の音で地形を知り、獣の気配を感じるため、沈黙は身を守る手段だったはずなのです。そして女性が共感で生存可能性を上げたように、男性は沈黙で生存可能性を上げてきたのです。
男性脳は、身を守るために、時に「音声認識しない」という手段にでる!
 妻の話がモスキート音に聞こえる
 阿吽の呼吸の夫婦では、うまく返事をしてしまうために
 「言った」「聞いていない」事件が起こる

 ビジネスの関係では
 「彼女はとちらかっているね。何を言っているのかわからない」と
 頭が悪いと判断されてしまう
 男性は、身を守るために、時に「音声認識しない」という手段にでることがあります。
 妻の話がモスキート音に聞こえてしまうのです。そして阿吽の呼吸の夫婦では、うまく返事をしてしまうために、「言った」「聞いていない」事件が起こります。

 ビジネスの関係では、「彼女はとちらかっているね。何を言っているのかわからない」と
 頭が悪いと判断されてしまうのです。
男性の対話ストレスを下げるには
 男性脳は、目的の分からない話に耐性が低い
 結論から言う+数字を言う
 (「企画書の変更点について話があるの、ポイントは3つ」)
 男性脳は、何かをしている時は、音声機能認識停止中と心得よ

 声をかけてから本題に入るまで3秒ほど待つ<3秒ルール>
 男性は、目的の分からない話に耐性が低いのです。そのためには、結論から言う+数字を言うことです。例えば、「企画書の変更点について話があるの、ポイントは3つ」です。と。
 また、男性は、何かをしている時は、音声機能認識停止中と心得えたほうがいいと思います。声をかけてから本題に入るまで3秒ほど待つ<3秒ルール>を適応するといいと思います。
 
どんな子が超一流になっていくの?
 友人にゴルファーの伊藤よし子さんがいます。子ども相手のゴルフ教室を開催しています。たくさんの子どもたちが参加しています。そこで、「どんな子が一流になるの」と聞いたことがありのます。
 すると、彼女は、
結果がコミットしすぎる親がついていると、子どもは一流になれない
 失敗しないように先に先に小言を言い
 失敗したらがっかりする親は子どもの脳を悪くする
 成功に有頂天になりすぎるのもNG
 子どもの脳が「結果」におびえ、「プロセス」から何も学べないから
 「結果がコミットしすぎる親がついていると、子どもは一流になれない」と言いました。そして、「本来、ゴルフは誰でも成功できるチャンスはあります。脳の戦略の問題です。親が失敗しないように、先に先に小言を言い、失敗したらがっかりする。そんな親は子どもの脳を悪くしているのです。親が成功に有頂天になりすぎるのもNGです。それは、子どもの脳が「結果」におびえ、「プロセス」から何も学べないからなのです。失敗が大事なのです。」と語ってくれました。
1988年、世界最小AIが教えてくれたこと
 きわどい失敗させないとセンスが悪い
 私は、1988年世界で最小のAI、脳細胞8個のAIをつくりました。学習事例を組み込むのですが、成功例だけを組み込むと、Nと同じものを質問すると、答えは出せるのですが、類似したN+1、N+2という問題には答えられないのです。
 しかし失敗した事例を組み込むと、類似したN+1、N+2という問題でもすぐ回答できるようになります。
失敗を未然に防ぐと脳はセンスが悪くなる

 脳は、寝ている間に回路を書き換える
 失敗して辛い思いをすると、その晩。
  失敗に使った関連回路に信号が行きにくいようにする
 失敗すれば、「不必要な回路」がわかり、
 とっさにそこに信号がいかなくなるため、
 「正しい道」を直感で選べる脳に変わる
 脳がよく、センス良く、発想力・展開力・理解力のある脳は、失敗が作る!
 これは、人間も同じです。脳は、寝ている間に回路を書き換えます。失敗して辛い思いをすると、その晩、失敗に使った関連回路に信号が行きにくいようにするようになるのです。失敗すれば、「不必要な回路」がわかり、とっさにそこに信号がいかなくなるため、「正しい道」を直感で選べる脳に変わっていきます。脳がよく、センス良く、発想力・展開力・理解力のある脳になるのです。良い脳は、失敗が作るのです。
失敗3か条
 ・失敗は他人のせいにしない
 ・過去の失敗をくよくよ思い出さない
 ・未来の失敗をくずぐす言わない
 私は、失敗3か条を提唱しています。
 ・失敗は他人のせいにしない
 ・過去の失敗をくよくよ思い出さない
 ・未来の失敗をくずぐす言わない
です。
 我が家には失敗した人は「その後片付けをしなくていい」というルールがある
 また、我が家では、失敗した人は「その後片付をけしなくていい」というルールがあります。みんなでフォローしあうのです。
 失敗した時に、「私が〇〇してあげればよかった」という人がいます。これは出世言葉と言われています。
 会社で物品を発注した時、相手が納品を間違えてしまったということがあります。
 この時に、「相手が繁忙期だったのね。私が気付いてあげればよかった」と言える人です。
 責任の範囲が広いのです。そのように言う人に、「それをどこで手に入れたのですか」と尋ねると、多くは、お母さんだと言います。
 この言葉は伝染します。失敗は、脳のセンスを良くします。気付くから変われるのです。
 フォローし合うことが大事です。
 叱るより、甘やかしあうといいと思います。
 人工知能が教えてくれた、家族の形。「人生はやさしい」
 コロナ禍の時代、家族の時代です。「みんなでやさしく」。