2020.8.29
全国大学教育学会 課題研究発表
「国語教育の多層性② 国語教育研究が視野の外においてきたヒト・コト・モノ」
13:00-13:10
開会行事
 挨拶
  植山 俊宏 京都教育大学
 
13:10-14:30 基調提案
コーディネーター
  住田 勝 大阪教育大学

登壇者 
 「児童心理治療施設併設校での言葉にかかわる教育:A校の事例」   
  本渡 葵 新見公立大学

1.A校概要

2.A校の実践Ⅰ

3.  アクション・リサーチ

4.A校の実践Ⅱ

5.まとめ

 「一人一人の多様な読みを共感する学び合いの授業づくり
            通常学級の支援の必要な子どもへの手立て」  
  稲田 八穂 筑紫学園大学

1 通常の教育と特別なニーズを持つ子どもへの教育モデル
  RTIに基づく三階層モデル

2 学習障害児の「読み理解の困難性」
   学級における一番の困り感    「読み理解の困難性」
  ・多種多様な現象それぞれに原因
  ・子供の困り感が表面化しにくい
  ・教師が気付かない場合も(RTI 第1段階で)

3 読み理解の指導

 3.1視知覚に対する指導
  ・眼球運動による文字形態の認識
     →視線を合わせる、文字形態弁別の訓練

  ・文字音を想起し発声
     →弁別した形を聴覚情報の音に変える(デコーディング)

  ・視機能や視覚認知の指導(奥村: 2017 RTI 第3段階:個別的な支援)
     →「ビジョントレーニング」「視覚発達支援トレーニングキット」

 3.2 文字と音との対応付けの指導
  ・音読の提唱(竹下: 2011
     →脳の活性化,単語の意味処理,文章理解,文法理解,ことばの感情表出

  ・音読の指導(目と指と声を使う発表者の指導)( RTI 第1段階 すべての子ども)
     →「文字カード遊び」による五感の刺激
       「ことばカード」「辞書作り」語彙を増やす
       「音読」  文字と音との対応、   単語を指ではさむ(サンドイッチ)
             一文を両手で挟む
     →音読シートの活用(月森: 2005 RTI 第2段階 補足的な支援)

 3.3 文章理解の指導
  文章理解の困難さ
    →場面の様子や登場人物の心情理解 2019 :参与観察の学校でのアンケート結果
 
 ・「インクルーシブ授業における教師の指導性」(新井: 2015 RTI 第1段階)
    →感覚的・身体的な「反応」も含めて参加と捉え,他者の感じ方と接続する
      「しぐさ」や「つぶやき」といった反応を拾い上げ,他の子どもの学習とつなぐ

  ・「読みの環境調整・課題改善」(コンスタンス・マクグラス: 2017
    →個に応じた読みのストラテジーの活用 RTI 第1,第2段階)

●予備知識やこれまでに得た知識を活用する。予備知識やこれまでに得た知識を活用する。
●新出単語・語彙を予習する。新出単語・語彙を予習する。
●以前学習した内容と新しい内容を関連付ける。以前学習した内容と新しい内容を関連付ける。
●内容をまとめるためのストラテジー(誰,何,いつ,どこ,ど内容をまとめるためのストラテジー(誰,何,いつ,どこ,どのように)を教える。
●ストーリーマップ(主題,登場人物,場面設定,内容や出来事,問題,ストーリーマップ(主題,登場人物,場面設定,内容や出来事,問題,結末などを系統立ててまとめた図表)を用いた作文の書き方を教える。
●声を出して読む,読み方の手本を見せる。そして内容の関連付けや視覚声を出して読む,読み方の手本を見せる。そして内容の関連付けや視覚化,予測,質問,推論などをさせることで,内容の理解につなげる。・


   →教師の支援を受けながら読むレベル( RTI 第2段階)
      支援なしに自力で読むことができるレベル(RTI 第1段階)

 3.4 文章理解に絵本を活用する文章理解に絵本を活用する
  絵本は五感に働きかけ刺激をもたらす

    →絵で表現された部分の認知構造から絵本が文章理解に有効(石川:2009)
      「絵と文からなり,視覚的な表象を想起しやすいという特徴をもつ絵本では,
      意味理解にかなり情動が関与すると考えられる。」
  
    →「読解力」に果たす絵本の役割(山元:2012)
       「個々の絵本の楽しい読みをきっかけにして「理解のための方法」を知る」

    →「読みあい」村中(「読みあい」村中(20002000))
      「五感,とりわけ耳を通した感覚,自分の声を,自分の発したことばを聞く」
      「二人で読みあう温かい雰囲気の中でコミュニケーションが生まれる」


読みの困難性を抱える子どもたち

 ① 個に応じた指導(特性の理解)

   ・通常学級におけることばの授業づくり 稲田(2014)

    「スイミーのオリジナル絵本を作って1年生に読み聞かせよう」

   ・支援学級の事例 稲田(2018)

    「肢体不自由児の絵本を活用したことばの指導」

 ② 多様な読みを共感しする学び合いの場

   ・「バイリンガル読者の出現」ヘレン・ブロムリー(2002)

     挿絵から感情を読み取ることが得意なモマールの例

   ・「情動の共有」稲田(2015)

 ③ チーム学校としての取り組み

   ・参与観察の学校の取り組み

     最初に特別支援学級の授業研究から実施 


    一人一人の差異を尊重し多様な読みを認め合う学び合いの場づくり

  「発達性読み書き障害のある子どもへの認知特性に応じた
         個別の文字指導から一斉指導 への示唆」
   三盃 亜美 筑波大学

通常の学級には、様々な認知特性をもった子どもたちがいる。

 … 視覚認知力は〇、でも、言語性の聴覚的な長期記憶力が×という児童がいるかも。

 → 視聴覚法のような様々な要素がある指導がよいかもしれない

一方、指導に複数の要素がありすぎると、かえって負荷がかかる児童もいるかも。

 → 個々の児童が自分の覚えやすい方法を選択できる環境が大切

  慣例的に行われている従来の指導が必ずしも効果的とは限らない。
 …特別支援教育で使われる指導法が参考になるかも


15:30-16:55

研究協議

16:55-17:00

閉会行事