2019.7.13
小田原おためし文章教室
夏季特別講座:作文の極意、教えます
石川美邦  神奈川新聞社元編集委員 
 1学期も終わりに近づき、もうすぐ夏休み。でも、あの夏休みの宿題に出される課題作文や感想文ほどつまんなくて、苦労したとはないでしょう。
 そんなトラウマを負った子供が大人にな って.ろくな文章が書けないのは当たり前. "負の連鎖"は濃厚感染するぞ~い. そこで, 「作文の極意」伝授します。書記法という当たり前の科目で、日本語では未開拓、小 学校の国語の一分野にとどまります。ビジネス文書含めて全て言語活動の基本なのになぁ。 60点は、誰でも取れます。70点は、ちょっと練習を重ねれば、誰でも取れます。合格点だから,これでよしと他のことに打ち込んでも、大いに結構。
 80点は、それなりの訓練と忍耐、時間が必要です。 90点を目指すなら、ある種の才能が必要です。 100点を目指すなら、運をものにできる力が必要です。

(1) 作文の構造
レベル 名称 ホップ ステップ ジャンプ
研究者 論文 序論 (仮説) 本論 (先行研究と課題、観察調査) 結論
学生 小論文 テーマ設定 観察・調査 考察
生徒 感想文 要約 体験 教訓
評価 ①まとめる力 ②表現する力 ③学び

*記事報告レポート;テーマ設定+実験観察調査に基づく事実報告提案。
     価値判断や 評価を論じる結論は、読み手に任せるものです.

(2) 作文の評価·観点 (読書感想文を例にします)
配分の割合
ホップ 要約 まとめる力 3 3 4 4
ステップ 体験 表現するカ 4 5 4 5
ジャンプ 教訓 学ぶカ 3 2 2 1

*作文は要約·体験·教訓の3要素。評価も、その3要素ごとに評価し、全体評価する。
*評価者によって配分割合は異なるが、一人の評者の中では動かさない。複数の評者で合評する場合は、事前に評価基準をすり合わせ、最終選考時に再び討論する。
<まず、準備。設計図をつくろう>
●いきなり書けと言われても、頭の中は真っ白!!
   ①好きな本(課題図書など)を読んで、いいなと思ったところに付箋をはる。
  (紙を挟んでおく)
  その時、 ページ数と気に入った言葉を書き出しておく。 (いっぱいはいらない)
②見開いたノートに、 要約、 体験、 教訓の3つの大きな枠を太く書く。
 
③ホップ 「要約」の枠の中に、 主人公の名前、 いつ、 どこで.、何したのかを簡単に
  書いておく。本に挟んだ付箋(紙)を張り付けてもよい。
④ステップ 「体験」の中に、本を読んで感じたり思いついた自分の体験を一言だけ書く。
   EX「弟が生まれた」 お母さんが泣いた」「わたしが病気になった」
⑤ジャンプ 「教訓」の中に、 とっておきの付箋1枚をはり、学んだことを一言だけ書く。

<原稿用紙に書く前に>
 
   ⑥1行目3文字下げてから、「タイトル」(一番最後でもよい)
   2行目に学校名、学年、クラス(下付き)
   3行目に名前(下付き)
⑦本文は1行開けて、 5行目から書く (段落はじめは、 必ず1文字下げる)

  *原稿用紙の使い方は 「 」、 句読点の打ち方、 下部欄外の使い方など、 日本語書記法の基本をきちんと教え、 身に着けさせます。 作文の全体評価に関わります.。
 *その学年までにならった漢字は、必ず使います。

<いざ、設計図を見ながら書こう>
 
        ⑧ホップ「要約」 は、いつ·だれが·どこで·何をした話 (4W) なのか、 簡潔にまとめる。
 付箋の言葉 (キーワード) を使いながら書くと, ああ, そうなのかと納得できます。
⑨ステップ「体験」は、 本を読んで思いついた体験や出来事を、できるだけ具体的に自分の言葉で書きます。 いつ·だれが·どこで·何をした話(4W) か、そして自分がどう感じたのかなどです。
⑩ジャンプ「教訓」では、本の主人公(ホップ)と自分の体験(ステップ)を重ねて、比べて、 思ったこと、考えたこと、学んだことを付箋の言葉(キーワード)を使いながら、まとめま す。ここが教訓·理由·動機·(1H1w)になります.。
⑪全体を読み返して (推敲). 気づいた点を直したり、 付け加えたりして、 出来上がり!