28.11.3
人間教育フォーラムinよこはま記念講演
子どもに学ぶ人間学
 子どもコンサルタント 原坂 一郎 さん
 私は、テレビ、ラジオ、新聞等で活動させていただいています。神戸市灘区出身のコテコテの関西人です。
 子どものときから子どもが大好きでした。将来どんな仕事に就こうかと考えていた野ですが、関西大学の学生のとき1977年でしたテレビを見ていると、それまで保母さんといわれていた保育の世界で男性でも資格を取れるようになったニュースが流れました。
 私は、これだと思いました。大学在学中に資格を取るのだと勉強をしました。
1980年、試験に合格しました。そして神戸市の保育園に採用になりました。以来、6カ所23年間、現場で勤めました。
 保育園で子どもと接していると、子どもから学ぶことがたくさんあります。今日は、その中のトップ3を「子どもに学んだ人間学」として、お話したいと思います。
 まず、子どもは「あれは、あれ。これは、これ。」という考え方ができます。具体的にお話しすると、子どもはよくケンカをします。1歳児でもケンカするのです。
 でもケンカをしていたのに、30秒たって振り向くと、すぐなかなおりしているのです。大人なら無理だと思います。
 大人は、あれはあれで徹底しています。子どもの場合、普段は仲良くしているけれど、あれはあれです。もとのさやに収まります。23年間の仕事の中、職場でも大声でケンカをすることがありました。ふつうなら修復不能だと思います。でも私は何事もなかった科のように普通に話しかけました。
「鉛筆貸してもらっていい。」「あのさ・・・。」と。
気まずいからツンツンします。気まずいと最初は無表情です。でも、普通にしていくと「先生、ずるいや。先生からいわれたら、ツンツンできないんやない。」と。
 このことで効力を一番発揮するのは夫婦げんかです。何事もなかったように話しかけるのです。親しげにするのです。すると、普通に返してくれます。
 人間仲良くなるポイントです。待っていたらなかなか難しいです。こちらから崎らに話しかけるのです。日本人は話しかけられると、笑顔で話しかけてきます。こちらから話しかけるのです。
 先日は、夜中にかかってきた間違い電話で、2分も話してしまいました。夜中の2時でした。「アキピー・・・。」「エー、違います。」から始まりました。最後は、親しげに「おやすみなさい。」といって電話を切りました。
 
 2つ目は、今日のテーマの1つの笑顔ということです。いつも笑顔でいることの大切さを考えてみたいと思います。
 大人にとって、子どもの笑顔は、癒されます。うれしいです。
 それは子どもも小梨です。大人、親、先生が笑っている。癒されるのです。心が和みます。ある時、写真係になりました。昔はフイルムを現像しなくてはならないので、写真屋さんにできあがった写真を取りに行くことになりました。バイクで向かう途中、事故に遭ってしまいました。小さな交差点ではねられてしまいました。体が宙を舞い、歯と歯茎を10本欠損してしまいました。気を失っていたので、痛いと思いませんでした。首から上を100針も縫いました。歯は、インプラントで直しました。
 救急車で運ばれたのですが、途中で目が覚めてしましました。そのとき、痛いと感じました。神戸市民病院に運ばれ、口腔外科の先生に縫ってもらいました。足も縫いました。
困ったことが1つありました。笑えなかったのです。
 笑うと痛いので、笑えないのです。笑えないというのは酷です。一ヶ月たって職場復帰をしました。でも、笑えないのです。
 子どもから「先生。久しぶり。先生、どないしたん。」と不思議がるのです。そして「先生、怒ってるとん。」と。神戸は言葉尻を何でも「~とん。」というのです。
 朝の集いで「先生は、けがをしたの。怒っていないよ。」というと安心してくれました。でも、廊下ですれ違うと、「先生、怒ってるとん。」と。
 子どもは自分が接する人が笑顔でいると安心するのです。
 保育園、幼稚園では、お父さん、お母さんの似顔絵を描くことがあります。みんな笑顔の絵を描きます。怒ることがあるのに笑っています。お父さん、お母さんにぴったりなのは、笑顔なんです。
 居間でテレビを見ている時、おもしろいことがあると「ままも笑っているかな」と振り向いたりします。大人の笑顔を見たがっているのです。
 大人だとずつと笑顔ではいられません。
 子どもの笑顔のもとはどこにあるのでしょうか。笑顔のもとは、半径10㍍いないにあるのです。
 子どもはよく笑います。自分に与えられたものでも、笑います。満足感があると笑います。
 保育園では、夏の間プールに入ります。そんなに広いプールではありません。八畳くらいのビニールプールに、20人~30人も入ります。すし詰め状態です。でも、水に入るとうれしいのです。
 文句を言うのは、大人です。「こんなの狭いじゃないですか。」「こんなに浅いんじゃ。」等と文句ばかりです。
 しかし、子どもから文句は出ません。「プールですよ。」というと大喜び。わずか20分~30分なのに、大喜び、笑顔、笑顔です。プールに入れるだけでうれしい。友だちと入れる。
 大人は、不満だらけ、ないものばかり見つけます。子どもは、与えられた環境の中から満足探しをします。
 例えば、何ヶ月もかかって準備した段ボールのアスレチック。遊べたのはわずか15分でも、満足します。大人だと、「二ヶ月もかかって作ったのに・・・。」と。
 子どもは、その中にある喜びを感じるのです。自分たちに与えられたものの中で、あるもの満足をします。ないものねだりはしません。
 ある新聞社が「あなたはパパとして、ママとして何点ですか。」というアンケートを採りました。すると、パパもママも70点というのが、大多数を占めました。
 子どもに「パパとして、ママとして何点ですか。」と聞くと、95点という結果が出たそうです。子どもはパパ、ママの欠点を30個くらい見つけます。でも70個はよいところを見つけてくれるのです。
 「僕のために並んでくれて風船をゲットしてくれる。」「ご飯をつくってくれる。」「のどが渇いたらジュースを買ってくれる。」等と。
 パパもママも自分にとってはすばらしい存在なのです。あるもの満足です。
 大人は自分の家でも文句を言います。「コンビニから遠い。」「狭い。」「汚い。」「駅から遠い。」と。
 子どもはどこかに出かけると「もうお家に帰りたい。」といいます。家に対して100の喜びがあるのです。
 この会場に来られたみなさんにも実は大きな喜びがあるのです。
「一人で来られた。」・・・きたくてもくることができなかったという人がいるのです。
「こんなに晴れた。」・・・雨が降っていたら大変でしたね。
 半径10㍍の中に笑顔のもとがたくさんあるのです。あるもの満足です。
 いけないのは、否定することです。丸ごと受け取るのです。ありのまま、受け取ることです。それをやっているのは子どもです。
 認めていると、笑顔になります。認めていないと文句になります。
 安心するのは、認めること。そして笑顔です。特に認めてほしいことがあります。我が子のことです。
 認めていないのは、子どもの言葉です。子どもは15歳くらいまでウソは言いません。思ったことをいいます。「何を言ってるの、そんな言葉。」といってはいけないのです。
 例えば公園で走っていて暑くなってしまった子が「あっつ」というと、「走るからでしょう。」「あんた3枚も着ているからでしょう。」と。「寒っ」というと、「何でジャンパー着てこなかったの。」というではありませんか。
 3歳倉の子が転んで、「痛い」といって泣いていると「痛くない、痛くない。」と。すぐ、否定する。認めない。給食で「これ、嫌い」というと、「明日から給食はないですよ。」と否定しませんか。
 それが大人同士だとどうなりますか。「暑いですね。」「本当ですね。」「寒いですね、」「本当に寒いですね。」と。レストランで「これ、嫌い。」といったら、「こんなの。シェフにいいたろ。」とはいわないですよね。
 子どもにもそのようにいえばいいのです。「痛い」といったら「痛い。大丈夫。」といえば良いのです。認めるのです。「本当。」といったり、オウム返しをすれば良いのです。
 二言目に注意すればいいのです。「痛かったね。もう走ったらダメよ。」と。
「あつい。」「暑いね。1枚脱いでご覧。」といえばいいのです。何も怒る必要はありません。
「これ嫌い。」「本当。でも1つだけ食べたら。」と。関西弁では「あっ、ほんま~。」という便利な言い方があります。「本当、でも・・・しようね。」といえば良いのではないでしょうか。
 聞く耳を持つということです。
 子どもが頭を打ってないていた。そうしたら「痛くない、痛くない」ではなく、「痛かったねー。」といってあげる。子どもは本当に素直です。
 子どもに学んだ人間学。「認める」ということ。これが一番です。否定しない。ありのままを受けとめる。すると、自分の口から文句が減り、笑顔が増えていきます。
 人間の口元は、「笑顔」「への字」「一文字」とありますが、普通にしているだけでは「への字」になりやすいのです。いつもの顔でいると、料理をしていても「怒っている」と、誤解を受けやすいのです。目はあまり変わりません。口元を見ているのです。
 笑顔といってもずっと笑顔ではいられません。3秒の笑顔を1時間に20回。ガンバつてみてください。
 子どもは、キャブが落ちただけで笑顔になります。笑顔を待っているのです。
 特に女性は、笑顔が大事です。何がおもしろいのか。「スプーン落としちゃった」と胃っては笑います。男性は笑えません。まして、「スプーン、おとしちゃった」等とはいいません。
 笑顔はすばらしいのです。笑顔は人のためにあります。自分には見えません。笑顔になってうれしくなるのは、子どもです。自分から笑顔を発行しましょう。
 笑顔でいると、みんなが幸せになります。
 我が子に笑顔を。

 今日はありがとうございました。